やっと、個人的に今夏一番の注目作品を観てきた。
…感想は難しい。押井作品としては文句のない完成度だと思うけれど、押井っぽいかというと微妙なところ。いや十分にいつもの調子だとは思うんだけど、独特の透明感ある雰囲気は原作の森さんの影響なんだろうか。原作は一人称で心情描写がやたら多い作品なのでどう映像化するのかと思ったが、結構うまく出来てるなと思った。押井監督の間の取り方が上手い。
脚本は概ね原作通り。が、あのラストは…うーん、どうだろうなあ。原作のまま作ることに押井さんは抵抗あったんだろうか。ここんとこに関してはいつものノリっぽくない。いや悪くはないし、原作通りにやると中盤からの演出が活きてこないしよく判るんだけど、原作のラストが結構好きなだけに…
で、その演出の差からあの人物の設定変更があったんだろうけど、そこはさすがだ。割と冒頭からそーゆー明確な意図が汲み取れるあたり、いつもの押井作品っぽくないと感じたのだろうか。
戦闘シーンはとてもよい。さすがだなあ。距離感とか重量感みたいなのが表現出来てるし安心できる。あと音楽はいつも素晴らしい。特にメインテーマが自然な変拍子でどきどきする。
結果としては結構好きな作品になると思う。ただしラストシーンを除いては。しかしこれ興行的にはどうなんだろな、失敗しそうだけど。押井さんにしては判りやすいほうに入ると思うけど、一般ウケしないよなあw
コメント
なんか激しく投げっぱなしと聞いたんですがどうなんですかそのあたりは!?
投げっぱなしのように見えるかもしれんねえ。
基本的にはSFであり恋愛物であるんだけど、淡々と話が進んで
淡々と終わるんで、そう感じるのかも。
元々原作がそんな感じなのでその意味では忠実な映像化とも。
ただ原作の極端なまでの空虚感に比べると、押井版はもう少し
メッセージ性というか恋愛要素を強くしてるんで、原作よりは
展開があるかなあ。
少なくとも超絶投げっぱなし映画ポニョよりマシじゃないすかねw