「エヴァンゲリヲン新劇場版:序」鑑賞

EVAの新劇場版を観てきた。正直、この時期にEVAはどうなんだと思っていたが意外と良かった。
劇場版新作を作ると聞いた時「庵野監督は富野御大になりたいんだな」と思ったんだが(丁度Zガンダムのリメイクもあったし)、実際に中身を見てみると富野御大とは方向性が違うことに気付いた。「序」もリメイクではあるんだけど、よりエンターテインメント要素のみを突き詰めた感じだ。Zガンダムは根幹部分の演出を変えてきて(しかもブレなく)魅せた部分に御大の底力を見たのだが、EVAの場合より判りやすい部分、つまり映像としてのエンターテインメント性を(少なくとも「序」では)押し出しているように見える。ヤシマ作戦の高揚感はZガンダムのそれより確実に上だと思うし。
「序」の見所はシンジじゃなくて「葛城ミサト、ラミエル、ヤシマ作戦」。特にミサトはいい位置だよなあ。今回の主役といってもいい。赤城リツコがこの時点でかなりいい味出してる部分も興味深い。ヤシマ作戦はSFアニメにおける様式美の最先端をいってると思う。
主軸である碇シンジのキャラクター設定はTVシリーズ、旧劇場版とは少し変えてきていて、やや貞本版EVAに近い印象ではある。が、しかし演出上の無理矢理感は相変わらずかなとも思う。冒頭シンジがEVAへの搭乗を決意するシーンはやっぱりこう無理があるし。自閉・自嘲気味だとかファザコンだとかそーゆー部分は引き継いでるんだけど、中途半端に頑張っちゃう。庵野さんも苦労してるんだろうなあ。
とりあえず「序」に関しては、演出の違いこそはあれTV/旧劇場版と比較しても大きくストーリーが違っている部分はない。しかし次作は「序」本編の******の後にある***でも判る通りかなりいじられてくる模様。伏線もかなり張られているし、2作目以降を観る可能性があるなら「序」は押さえておく必要があると思う。